こゝろ
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このブログは、無念のまま亡くなった姉の病気を未然に防ぐため、過去に戻ることを決意し、いろいろ試して過去に戻るまでの記録です。
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2020年12月20日
10年程前、何が切っ掛けかは全然覚えていないのですが、父がこんな話をしました。
会社で仲の良い男性の同僚がいた。
その同僚に(当時同じく同僚だった母と)結婚すると告げた後、その同僚は自死した。
理由はわからないと言っていましたが、その同僚は恐らく自分(父)に好意を持っていたのではないか、というようなニュアンスのことを話していました。
その後、この話についてはあまり触れてはいけない気がして長らく誰にも話していなかったのですが、当時姉と一緒に聞いていたような記憶があり、闘病中の姉に覚えているか尋ねてみました。
姉は全く知らないと答えました。
記憶力のいい姉の言うことなので、あれはもしかして夢だったのかと思うようになりました。
ちょうど夏目漱石の「こゝろ」という小説を読んでいたので、その記憶とごっちゃになったのかな、などとも思っていました。
ちなみに父は男性にも女性にもモテるタイプには(子供の目線からは)見えません。
余りにもリアリティがないので、姉も「夢じゃないの?」と笑っていました。
今日、話の流れで母が結婚前に下宿していた頃の思い出を語っていて、その中でこの「夢」の話に関係のありそうな話が出てきました。
母が結婚前に住んでいた下宿は父と母が勤めていた会社の近くで、その付近には同じ会社の人が大勢住んでいたそうです。
母は言いました。「そういえば家の近くにお父さんと仲が良かった○○さんという人が住んでいたけれど、確かあの人、早くに亡くなったな…。何でだったんだろう」
ああ、あの話は夢じゃなかったのか。
そして母は真相を知らないのだ。
父がなぜ私だけにその話をしたのかはわかりません。改めて聞くこともないと思います。
姉もいなくなった今、多分もう一生誰にも話さないでしょう。
あれから10数年、父は今日もピンピンしています。
「こゝろ」の登場人物のように、最後に打ち明けて死ぬという意図があったわけではなさそうなので、そこは安心しています。
※「こゝろ」を読んでいない方、若干ネタバレですみません。
ちなみに「こゝろ」は別にボーイズラブの話ではありません。