過ちを犯す者 後編
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このブログは、無念のまま亡くなった姉の病気を未然に防ぐため、過去に戻ることを決意し、いろいろ試して過去に戻るまでの記録です。
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2022年1月7日
既存作品のトレースでイラストレーターの職を失した知人をAとします。
Aは気さくでコミュニケーション能力が高く、特に年上から好かれる人物でした。
そのお陰で大きな仕事を任されることになりましたが、それが如何せん身の丈に合わなかった。
実力以上の成果を期待されたわけです。
出来上がった作品はこれまでのAの画風とは全く違うリアルタッチの人物画でした。
デフォルメされたキャラクターと違い、リアルな人物イラストは余程訓練していなければ参考資料なしに制作するのは難しいのですが、Aは参考にしたものは全くないと申告していたそうです。
その後商品化に至るまでのチェックで幸いというべきか既存作品のトレースだと発覚しました。
Aは期待に応えたかったと涙ながらに謝罪をしたそうです。
一度は許され、持ち前の対人能力で再度チャンスをもらうことができましたが、再びトレースに手を染め遂には失職してしまいました。
前科もあるため二度めは厳重なチェックがなされ、ほどなく発覚したそうです。
Aは「期待に応えたかった」のではなく、強い承認欲求と実力不足を悟られたくないという虚栄心から邪道を選んだのだと思います。
話題のイラストレーターも、たまたま描いたイラストが不相応に評価され、引くに引けなくなったのかと思います。
普通は引くのですが、チヤホヤされた成功体験が忘れられず、承認欲求が刺激されたのでしょう。
それにしてもネットで検証されている画像を見る限りでは相当大胆な盗用をしていますが、このご時世でバレないと思っていたのは何か脳内麻薬でも出ていたのでしょうか。
同業としてはまず「上手く絵が描けない…せや!トレースしたろ!」の精神が全く理解できず、己れの虚栄心のためにどれだけの人間に迷惑をかけるかを想像できないのは元々人として何か欠落しているんだろうなと思います。
「トレース」と軽く言っていますが、泥棒ですから。犯罪です。普通の人は泥棒しません。
ちなみに真偽のほどはわかりませんが、件のイラストレーターの正体は「40代後半~50代の中年男性」だそうです。
それが本当だとしたらいい大人が情けない限りです。
個人的には「クリエイターは年と共に感性が鈍る」と思っているので、件のイラストレーターが(もし中年なら)今後トレースなしで同じクオリティのものが描けるとは思えませんし、Aの例にもあるように、再度過ちを繰り返すことは目に見えているので、スッパリ廃業すればいいのにと思っています。
※なんだか熱くなって厳しいことを言っているのは同業者だからです。悪しからず。