死人にくちなし 前編
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このブログは、無念のまま亡くなった姉の病気を未然に防ぐため、過去に戻ることを決意し、いろいろ試して過去に戻るまでの記録です。
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2021年11月1日
見るともなしに見ていたテレビ番組で、12年前に起きた「耳かき専門店店員殺害事件」の再現VTRを放送していました。
バッドエンドが確定しているこの手の再現VTRは普段は見ないようにしているのですが、うっかり山場を迎えようとしているところを見てしまったばかりについつい最後まで見入ってしまいました。
「耳かき専門店店員殺害事件」とは、店員に一方的に想いを募らせた常連客がストーカー化し、最後はついに店員宅に忍び込み、店員の祖母と本人を刺殺したという凄惨な事件です。
この事件のことは当時話題になったのでよく覚えています。
当時ももちろん加害者が100%悪いとは思っていましたが、被害者が「耳かき専門店の店員」という職業を選んだことである程度のリスクは予測できたのではないかとも思っていました。
今ざっと「耳かき専門店」の求人を見たところ時給が¥3,000~¥6,000とあります。
特殊な技術や資格を必要とするわけではないのにそれだけの高給を貰えるのは何らかの代償があるのであろうと思います。
ただそれは例えば世間体や自尊心であって、身の危険を前提としているわけではなかったかも知れませんが。
再現VTRでは被害者が何故耳かき専門店で働くことになったかの経緯や本人の人となりなどが詳細に表現されていました。
そこでは全く非がなく善良である被害者とその関係者が最大限に対応策を講じていた様子が描かれていました。
VTRが救いようのないラストを迎える頃には、私も「当時『あなた(被害者)にも多少の隙があったのでは?』なんて思ってしまってごめんなさい」などと心を痛めていました。
やはり事情や状況をよく理解しないまま勝手な想像で批判することは良くないと改めて思ったわけです。
そしてその番組の放送があった翌朝、中学生が同級生を刺殺するという衝撃的な事件が起きました。
長くなったので後編に続きます。