墓場に持っていく話 後編
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このブログは、無念のまま亡くなった姉の病気を未然に防ぐため、過去に戻ることを決意し、いろいろ試して過去に戻るまでの記録です。
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2021年10月22日
義兄が亡くなったと聞いたときは、姉が亡くなったことがそんなにショックだったのかと、その心の内に気付けなかった自分を責めかけました。
しかし心を痛めたのも束の間、義母からギャンブルにのめり込んでいたこと、義姉からお金に困っていたことを聞き、なんだかおかしいぞと思い始めました。
義兄亡きあと、相続人である姪たちを私が引き取ることになったので、借金があるのであれば精算を急がなくてはいけません。
通帳類のお金の出入りを調べてみると、どうも姉が管理していた時点では無駄に出費さえしなければさほど無理なく治療費や学費は出せるだけの蓄えはあったようでした。
ところが姉が入院して以降、義兄が金銭の管理をするようになってすぐに使途不明な出金が増え、僅か数ヶ月で預金は底をついていました。
勝手に解約した生命保険の返戻金も全て使い込み、姉がコツコツ貯めた姪たちの貯金の残高も0になっていました。
(姉が奇跡的に治癒したらどうするつもりだったのか…)
またいくつかの銀行からも借りていたようで、督促状を確認すると満額未返済でした。
義姉にもいくらか(大金)借りていたようです。
その時の私の落胆と失望は言葉に言い表せません。
金額の問題ではなく、真面目で子煩悩が取り柄だと思っていた義兄に裏切られた気持ちと、最後まで義兄に感謝し病気になったことを謝っていた姉が不憫だったからです。
義兄の本性に気付かないまま亡くなったことは、考えようによっては不幸中の幸いなのかもしれないのですが、それだと義兄の逃げ得になってしまうのも悔しかった。姉に憎まれて然るべきだと思っているのです。
そして借金は実際のところ銀行からの借り入れをトータルしてもビックリするような額ではありませんでした。
(義母や義姉の援助がなければとんでもない額になっていたとは思いますが)
全てさらけ出し、心を入れ換えて生活すればまだ十分立ち直れる状況だったと思います。
なのになぜ生きることを諦めたのか。
ギャンブル依存である自分に嫌気がさしたのか、またいくらかは本当に姉の死がショックだったのかも知れません。
そういえば死ぬほど追い詰められても結局私からお金を借りることはありませんでした。
もしかして理性が働かないギリギリの状況だったにも関わらず、借金嫌いの私や父との関係を悪くしたくない、最期まで娘婿として幻滅して欲しくないという思いがあったのでしょうか。
そうであれば失望と嫌悪しかない義兄に対する感情の中で少しだけ、不憫だったと悲しむことができる気がします。